2012/08/23
海外からより多くの観光客に来てもらうため、そして県内での受入の課題を解決するため、沖縄県やOCVBは様々な施策を行っています。
- 世界中からより多くの方に沖縄に来てもらうために (誘致活動)
- 沖縄の魅力を存分に感じて、いい思い出を作ってもらうために (受入体制の整備)
- 関連団体・業者との情報共有
世界中からより多くの方に沖縄に来てもらうために (誘致活動)
より多くの方に沖縄に来てもらうために、主に2つの側面から誘致活動を行っています。
■ 交通アクセスの拡大
海外から沖縄へ旅行に行くには、飛行機か船に乗っていかなければなりません。
ということは、より多くの航空路線やクルーズ船に沖縄に就航してもらわなければなりません。
そこで、航空会社や、クルーズ会社に沖縄の魅力を知ってもらい、「これならお客様に売れる、楽しんでもらえる!」と思わせるような情報発信をしていくことも大切なキーポイントの一つです。
そのために航空会社やクルーズ会社に出向いて、沖縄への就航の魅力を伝え、時には沖縄県知事などのトップが直接セールスを行って新規航路を開拓しています。
加えて、海外からのチャーター便や、定期就航している航空路線の活性化を目的に、空港利用時に係る経費の一部や、団体バス利用時の費用の一部を助成する支援事業も行っています。
また、外国人観光客がより来やすい環境を作るための規制緩和も進めており、平成23年7月からは、中国人への数次ビザの発給が始まり、中国からの観光客増加に拍車をかけています。
■ 需要喚起による誘致活動
しかし、せっかく航空路線やクルーズが就航しても、その利用率が低ければ路線廃止になりかねません。そこで、同時に展開しなければならないのがもうひとつの側面からのアプローチ、需要喚起による誘致活動です。
海外で沖縄旅行のニーズを掘り起こす仕掛けとして、メディア(テレビ・雑誌等)に沖縄の取材をしてもらったり、広告を出稿して直接消費者に沖縄の魅力を発信しています。また、海外の旅行会社と連携して沖縄旅行商品を作って販売してもらう取り組みなどを行っています。
実際に海外から旅行社をFAMツアーに招聘し、沖縄を体感してもらうとともに、県内の事業者との商品造成に向けた商談会も行っています。
その他に、世界各地で行われている旅行博覧会にも出展し、沖縄の認知度向上に努めています。
旅行博の際には、県内の事業者の方々にも出展の呼びかけを行っています。直接の参加が難しい場合でも、パンフレットをご用意いただけるのであればOCVBがそれを持って行き会場への設置も行っています。
各事業者が海外へ行って直接セールス活動を行う際の旅費の一部を負担するなど、県内事業者の方々が極力直接商談の機会を持てるよう支援しています。(セールス活動の支援はこちらをご覧ください)
その他、沖縄県の海外事務所(北京、上海、香港、台湾)やOCVBの海外事務所(韓国、台湾)でも現地での最新情報の収集や市場調査を行っています。
なお、ヨーロッパや米国など、沖縄県・OCVBの海外事務所が置かれていない地域においても、日本政府観光局(JNTO)の海外事務所と連携し、誘致活動や情報収集を行っています。
こういった取り組みを通し、直接現地の消費者や旅行社の声を聞くことはマーケティングの一環でもあります。
沖縄の魅力を存分に感じて、良き思い出を作ってもらうために(受入体制の整備)
誘致の結果、多くの外国人観光客が来た際に、その方々に対応できる人材や施設整備、サービスの提供が追い付いていなければ、せっかく来ていただいたお客様に十分に楽しんでもらえず、リピーター効果が望めないだけでなく、沖縄に対する悪印象が広がってしまう可能性もあります。
沖縄県では、平成22年度から、外国人観光客の動向調査「満足度調査」を行い、その満足度を把握し、受入体制の整備に反映させています。
■ 外国人観光客向け情報提供
- 海外での旅行フェアやイベントなどを通した消費者への直接的プロモーション
- 合計10言語での観光情報サイトの運営や、多言語ガイドブックや観光マップなどの作成・配布
- 空港案内所での観光案内
来沖する前の情報収集ツールとして、多言語での観光情報WEBサイトを運営しています。
また、旅の玄関口である那覇空港で観光案内所を運営しており、国内外からの観光客に対してさまざまな観光情報を案内したり、OCVBが作成したガイドブックや観光マップ等を配布しています。
こういった情報提供ももちろん重要ですが、実際に沖縄に来た際にできるだけ気持ちよく旅を楽しんでいただくために、沖縄の強みである「おもてなし」をサポートする事業も行っています。
■ おもてなしサポート
- M.I.C.E.やインセンティブツアーなどで訪れた旅行者への空港歓迎式の実施
- 外国人観光客受入の基礎を学ぶ「外国人観光客受入基礎研修」の実施 ・外国人観光客受け入れに関するマニュアル作成・配布
- 各事業者が発行しているパンフレットや飲食メニュー、WEBサイトなどの翻訳にかかる費用の一部助成支援
- 接客時に使える指差し会話帳の作成 などなど。
外国人のお客様を受け入れるにあたり、多くの場合障害になっているであろう「文化・慣習の違い」や、「語学の壁」を取り除くために、その入門編とも言える「外国人観光客受入基礎研修」を実施し、外国人観光客に対する基本的な心構えや接客フレーズを学ぶ機会を提供しています。
また、平成24年度は各事業者が自ら計画した自社での人材育成研修に対し、その研修費用を助成する「世界に通用する観光人材育成事業」も展開しており、沖縄を「世界水準のリゾート地」へと成長させるために欠かせない人材育成にも力を入れています。
とはいってもやはり語学力を身につけるにはある程度時間がかかるものです。
そこで現在OCVBでは外国人観光客からの質問や、言葉が通じなくて困っている際の案内などを電話で受け付ける多言語コールセンターを運営しています。(年中無休、24時間営業/英語、中国語、韓国語対応)
その他、前回課題に挙がった「多言語の案内表記」や、「外国のクレジットカードやキャッシュカードからお金が引き出せるATM」の設置、Wi-Fi 環境の整備についても今年度取り組んでいくことが予定されています。
関連団体・業者との情報共有
外国人客の誘致拡大及び受入体制整備をさらに推進していくためには、官民一体となって共通認識を持ち、情報交換や方策・施策等の検討を行う必要があります。
よって、沖縄県では平成21年度より、「外客インバウンド連絡会」を開催し、定期的な情報交換を行っています。
また、沖縄のインバウンドに関する様々な情報をOCVB公式サイトや当サイトにて随時配信しております。
こういった施策の実施もあり、外国人観光客の数は着実に増加してきていますが、更なる誘致を目指すには、県内各自業者の皆さんと連携した取り組みがますます必要不可欠となります。
皆さんの外国人観光客誘致・受入の一助となりますよう沖縄県・OCVBの各種事業をぜひ積極的にご活用ください。
次回は外国人観光客を誘致するためにはどうすればいいのか考えてみましょう!