2012/10/10
消費者に沖縄観光資料を郵送するためよく郵便局を訪ねるが、いつごろか並ぶという認識をしなくなった。
最近EメールやSNSなどデジタルメディアの発達で手紙を直接送る人は多くない。しかし、電子メールは人間の情を伝えるには物足りないことが多い。
ソウル市はこのようなアナログ感性を刺激する手紙の魅力を活用して外国人観光客にウェルカム葉書無料配送サービスを通した広報活動をしていて紹介したい。
このウェルカム葉書は8種のソウルの代表観光資源の写真を葉書に製作、ソウル市内の主な観光案内所などで配布している記念葉書で、ソウルを訪問した外国の観光客が母国の家族や知人たちにソウルでの楽しい思い出を伝えられるようにメッセージを書き、現場に置かれた赤いポストに投函すれば外国へと無料で配送するサービスのことだ。
このサービスは経験者のブログなどを通して噂となり、葉書を送るためにわざわざ観光案内所を訪ねてくる観光客も増えているという。利用客も大きく増えて葉書の配送量は毎週約2千枚と、昨年に比べて約2倍ほどが増加した。国別には中国、台湾、香港などの中華圏観光客が全体配送量の70%、日本観光客が20%を占めている。
ソウル市は今年の年末まで約6万枚以上の葉書が海外へと配送されることと見込んでおり、約20万人以上の海外潜在観光客を対象にソウルを広報する広告効果が図れることと期待している。
最近は旅行地での体験談をスマートフォンで生放送する時代ではあるが、旅行先から母国へと葉書を書く観光客には旅行の楽しみが倍加し、貰い手もそれを読んで持つだけでも旅行地での思い出を共有するようになる。
韓国からも8回も行っている人がいるほど沖縄ファンが増えている。彼たちは沖縄のゆったりした時計が止まってるような不思議なぬくもりに引かれているという。
いくらデジタルが進化しても心を動かすのはアナログ的な感性だろう。一回旅で終わることなくリピータにつなげるにはアナログ的なもてなしも必要といえるのではないだろうか。
(2012.09.23沖縄タイムス「アジア便り」掲載分)
(2012.10.10)
【参考リンク】
ソウルウェルカムキャンペーン
http://welcome.visitseoul.net/jap/index.jsp
ソウルウェルカムキャンペーン:ウェルカムはがき海外発送無料サービス
http://welcome.visitseoul.net/jap/sub/postcard.jsp