2012/09/18
すでにご存じの方も多いと思いますが、韓国の人気アーティスト・PSY(サイ)の「カンナム(江南 )スタイル」の動画再生回数が1億件突破を目前にしている(もう突破したかも?)。
“へ~~~マカレナ”というフレーズで数年前にものすごく流行したスペイン出身のロス・デル・リオの「恋のマカレナ」。真似しやすい簡単な動作で作られた踊りと、繰り返される軽快なリズムが一世風靡したことがありましたね。
最近、世界ではサイの踊る「カンナム・スタイル」が以前のその熱気を再現しているかの状況です。
「カンナム・スタイル」は乗馬ダンスを基本に、大邱(テグ)スタイル、弘大(ホンデ)スタイル、シンガポール・スタイルなど、パロディ作品を誕生させながらサイ症候群を作り出しています。それら「カンナム・スタイル」をパロディにした各種映像物は連日ポータルサイト検索キーワードランキング上位に上がっているほどです。
サイが持つ特別なエネルギーは外国人までも熱狂させていますが、それは視覚的刺激と聴覚的刺激、中毒性の強い歌詞、エレクトロニック・サウンドの繰り返しリズムが絶妙に合致しながら、階層・人種・老若男女・国籍を越えてみんなを躍らせています。
今までの韓国のコンテンツ最高記録は2009年6月発表されて3年ほどにかけて8400万件のミュージックビデオ動画再生数を記録した少女時代の'Gee'でした。この二つを比較してみると、少女時代はセクシー・ビジュアルと群舞などが目立ちましたが、サイは‘コメディ'と'面白さ'を込めたビジュアルという違いが見えます。
この事例が示していることは、大衆はすばらしくて派手な群舞にも熱狂するが、おもしろくて簡単に真似できるものを好んでいるということでしょう。動画再生回数からも分かるように、これは韓国だけでなく世界で共通した現象でしょう。
韓国の企画者たちがあまりにもコミカルなミュージックビデオの制作ばかり考えているとの指摘もありますが、韓国のドラマと歌謡が日本・台湾・中国をはじめ、全世界で話題になることで、撮影地を見たり、韓国の文化を体験するために多くの観光客が実際に韓国を訪れています。
このような文化コンテツは観光産業振興だけでなく文化的自負心と国家イメージ向上という貴重な価値を作り出します。
9月3日には、モントリオール映画祭で沖縄観光コンベンションビューロー主催の海外コンテンツサポート事業対象作品である映画 『カラカラ』 が「観客賞」と「Openness to the World 賞」2つを受賞して大きな反響を呼んでいますね。韓国市場でもドラマやミュージックビデオのロケ支援による話題をすでに経験しているので、今後沖縄の文化コンテンツ事業を通した広報効果がますます期待されます。