2012/11/28
今、沖縄へ来る台湾人、香港人観光客が那覇空港到着後、真っ先に手に入れたい沖縄観光情報誌がある。
その名も「來來琉球」である!
今回は、噂の話題本「來來琉球」の謎に迫るべく、営業部の宮内さんと翻訳担当の劉さんにお話を伺うため、編集部へ突撃!おじゃましま~す
◇◇◇◇◇
(写真手前から)
・宮内さん(営業部)
次号発刊に向け忙しい時期にも関わらず、
私たちおもてなし向上委員を
温かく迎え入れてくれました。
・劉さん(翻訳・通訳案内士)
台湾のご出身。2001年に来沖以来、
10年以上沖縄に在住。
ご主人はウチナーンチュというから、
もう正真正銘の“うちなー嫁“。
――こんにちは~。本日はお忙しい中、ありがとうございます!
早速ですが、お二人が手にしている「來來琉球」と中国語で書かれた雑誌、巷ではあまり見かけませんが・・・どういった雑誌なんでしょうか?
(宮内)はい、年に2回発行している、台湾・香港の観光客へ向けた、沖縄観光情報を掲載している県内初の繁体字ガイドブックです。県内では那覇空港国際線の観光案内所とレンタカー会社、台湾ではOCVB台北事務所と旅行会社を通じて手にしていただいています。
――基礎的な沖縄の観光情報に、シーズンごとの特集・・・と中身も充実してますね~。え、これ、フリーマガジンなんですか?!発行のきっかけは??
(宮内)以前、別の仕事で沖縄と台湾を行き来しており、空港や飛行機の中で、沖縄観光に訪れる外国人観光客をよく見かけました。それまでは全然知らなかったのですが、台湾や香港から年間約17万人もの観光客が沖縄を訪れていたようですね。
でも、外国人観光客がたくさんいらしているにも関わらず、当時の沖縄には、観光情報を発信する媒体がほとんどなかったんです。台湾や香港の書店にある沖縄観光のガイドブックは、情報が古いままのものだったり・・・。旅先の沖縄で手に入れられるものだって、パンフレットや簡易マップくらいだったり・・・。その現状を見て「このままでは沖縄の本当の良さを知らないままになってしまう。沖縄の魅力を幅広く発信する今までにない無料媒体を作って、外国人観光客をもてなしたい」って強く思いました。そして、2009年「來來琉球」を発刊しました。
――ほほ~、情報発信ってとても重要ですよね。では、情報発信をする上で意識していることや、外国人観光客のニーズの把握はどのようにされているんですか?
(宮内)外国人だから、日本人とは違うニーズがあると思われている方も多いようですね。しかし、旅先でやりたいことや食べたい物って、実は人それぞれなんです。「來來琉球」作成において、私たちがこだわっているのは次の3つです。
1.「ユーザビリティとクオリティ」
外国人観光客の立場に立って、使いやすくてかつ質の高い媒体であることは重要です。
2.「情報量」
偏りのない幅広い情報を発信することと、そして常に新しい情報を特集などで毎回違った切り口で発信すること。外国人観光客により多くの選択肢を提供することも情報誌の役割の一つです。
3.「外国人観光客が「また沖縄に来たい」って思ってくれること」
沖縄には、1回の観光では味わい尽くせないほどの魅力があります。「來來琉球」を通じて、沖縄へリピートして頂くことも、私たちの希望です。
ちなみに、外国人観光客のニーズを把握する一番いい方法は、生の声を聞くこと!
「來來琉球」にご掲載頂いている観光施設やショップからのレスポンスや、沖縄旅行で「來來琉球」を利用してくれた読者の声を知ることも的確な方法。特に、台湾では個人ブログで自身の沖縄旅行記を細かく綴っていることが多いんです。
それを自分たちでグーグルで検索しています(笑)
――「來來琉球」の中に、観光施設やショップで使えるクーポンが付いてますね。台湾の方もクーポンって利用されるんですか?実際の利用状況はいかがですか?
(宮内)中華圏のお客様は“お得感”が好きなようで、おまけなどのクーポンは小さなものでも引き換えていただいているようです。その中でも特に割引クーポンなどは利用率が多いようです(笑)。
――県内各地、事業者さんへの営業もされていると思いますが、反応はいかがですか?
(宮内)広告を掲載しなくても、外国の方々が訪れる状況にある所もあって、それなら、きちんとした情報を載せようということから出稿を希望される事業者さんもいらっしゃいますし、外国人観光客に来ていただいてもきちんと対応できないから、と出稿を希望しない事業者さんもいらっしゃいます。しかし、私たちは単に広告を載せて終わり、というだけでなく、インバウンドに対して不安を抱えている事業者さんに対してはアドバイスなども行っています。情報発信する側、訪れる側の双方が満足することが何より大切だと考えています。
――話は変わりますが、劉さん、在沖10年以上のようですが、沖縄の生活はいかがですか?
(劉)沖縄は空気がキレイだし、とても住みやすいです。それに台湾と沖縄は食べ物も似ていますね。台湾でも豚肉を良く食べますが、沖縄の豚肉ってとても美味しいと思います。あと、私はゴーヤーを沖縄に来て食べられるようになりました。地域性もありますが、台湾では主にゴーヤーはスープにするから苦いんですが、沖縄のゴーヤー料理は美味しい!!ここ(沖縄)に来るまで沖縄料理が美味しいなんて全然知らなかったんです。それも台湾の観光客へ伝えたいです。
――そうですか~。沖縄のゴーヤー好きなんですね。劉さん、どうりでお肌がキレイだわ。
失礼、脱線しました。それでは、最後に今後の夢をお聞かせください。
(宮内)「來來琉球」を通じて、多くの外国人観光客に沖縄観光を十二分に満喫してもらうこと。そして沖縄観光をリピートしてもらいたいです。決して大きな夢ではありませんが、県内事業者と外国人観光客との架け橋になり、双方に喜んでいただけることが私たちの願いです。
(劉)台湾の方々は物を見る目が肥えて来ています。日本にあるものに対し、“安心・安全”の信頼を置いています。そういったニーズも県内の事業者さんに伝えていきたいです。将来は、簡体字(主に中国大陸で使用されている漢字)版の「來來琉球」も発刊していきたいです。現在中国大陸からのお客様は団体旅行が主ですが、いつかはFIT(個人旅行)も増えてくると思いますので。
――本当、ますます多くの外国人観光客が増えることに情報発信の面からも備えていかねば、ですね。
それでは、本日はどうもありがとうございました~。2013年1月号の「來來琉球」も楽しみにしております!!
◇◇◇◇◇
<取材後記>
今回お二人からは、外国人観光客を温かくおもてなししてあげたいっていう気持ちだけではなく、新しい情報、多様な情報を常に発信しようと質にこだわった姿勢が伺えました。「來來琉球」を見て、「えーー!?これがフリーマガジンなのっ?」って驚くのは私たちだけではないはず。あのボリュームにあの情報の切り口。台湾/香港からの外国人観光客を中心に話題沸騰中のフリーマガジンは、あくまで“質”にこだわり続けた、インバウンドおもてなしのプロたちの渾身の一品なのかもしれない。
どこの国の人だから・・・という固定概念は捨て、個々人として外国人に接する。至極当然なことを教えてもらった気がする。
(リポート:インバウンドおもてなし向上委員 辻、山入端)
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