2015/03/16
(マハエ)ハイターイ! マハエは今回、旧正月休みに外国人観光客で賑わう観光施設、琉球村さんにお邪魔しました。お忙しい中、インタビューを快く受けてくださったのは、沖縄のうとぅいむちで外国人観光客を受け入れている、ちるー*(宇栄原 栄子)さんです!ちるーさんは、海洋博覧会時代にバスガイドをされた後、子育ての期間を経て再び観光に携わる職場である琉球村さんで、沖縄を訪れる観光客の方々を笑顔でお迎えしています。
(マハエ)ちるーさんのうとぅいむちについてお聞かせください。
(ちるーさん)まず、私が琉球村で働くきっかけとなったのは、(琉球村の)オーナーの言葉に感銘を受けたことです。オーナーは「日本の中心は東京かもしれないけど、地球の中心は沖縄だと思っているよ。」と話していました。東京に憧れて一度は、沖縄を離れたりしましたが、やはり生まれ育った沖縄に戻ってきて、何か沖縄に貢献したいという気持ちから、今日に至っています。それ以来、20年以上に渡り観光業界で接客に携わっています。また、社是には「楽しくなければ仕事じゃない」というのがありますので、通り一遍な対応ではなく、お客様それぞれに合った接客を心掛けています。例えば中国の方々の場合、団体バスでの来訪が多く時間が限られていますので、あまり時間をとらせない接客を心掛けています。韓国からの方々の場合、レンタカーなどを利用する個人のお客さまが多いので、村内をゆっくりと時間をかけてまわってもらい、古民家でくつろいで頂いています。「心は見えないけど、心遣いは見える」という思いがありますので、なかなかむずかしいことですが、お客様が今何を求めているかを読むようにしています。あと、「1日に100名のお客様に『ありがとう』と言われるようにうとぅいむちしよう」と考えながら、実践しています。
(マハエ)外国人観光客への言語対応についてお聞かせください。
(ちるーさん)琉球村の国別外国人観光客数ですが台湾、韓国、香港、中国、欧米圏の順に多くいらっしゃっています。韓国に関しては、昨年のLCC就航によりお客様がかなり増えてきています。(琉球村では)韓国語、繁体、簡体、ベトナム語と英語が対応可能です。インバウンドを強化していくため、昨年は韓国人スタッフを採用しました。また、これまでOCVBが実施している講師派遣事業を活用して韓国語と中国語を受けましたが、研修を受けた後は「外国の方々をもっと理解したい」という気持ちになり、とても良かったです。今では古民家にいらっしゃる外国人の観光客の方々に積極的に話しかけるようになり、臆せず会話の糸口をつかむようになっています。(ちるーさんだけではなく)他のスタッフも、これまで言葉の壁という不安から、来場が増えている外国人観光客に対して怖さと戸惑いを感じていましたが、研修を通じて言葉の壁がなくなったと思います。琉球村は沖縄の文化・芸能・自然と触れ合う楽しさを体験していただくテーマパークです。いらっしゃる外国人観光客の母国語を少しでも話すことで、今までどおりの触れ合う楽しさを外国人観光客の方々にも伝えられていると思います。「こんにちは」や「ありがとう」等の挨拶だけではなく、「これはあなたの国の言葉で何て言うの?」という質問を相手の国の言葉を使って聞くことで、私はあなたのこと、あなたの国のことを理解しようとしています、という気持ちが伝わっていると思います。お互いの言語を教え合いながらコミュニケーションを深めることで、距離を縮めています。
(マハエ)今日のような旧正月期間中に外国人観光客向けに、何か特別なことをされていますか。
(ちるーさん)特にありませんが、ここ最近の特徴として閑散期がなくなっています。一年を通して均等に国内外からお客様がお越しになっていますので、安定したサービスを提供することができます。琉球村には今年95歳になるうめとおばぁが働いています。働くことが長生きの秘訣と話しており、私自身もうめとおばぁを目指して、これかも琉球村にいらっしゃる観光客の方々をうとぅいむちの心でお迎えしたいと思います。
ちるーさんが目標とする御年95歳のうめとおばぁと道ジュネで盛り上がる観光客
道ジュネをカチャーシーで締めた後、写真撮影に対応する琉球村スタッフ
多言語表記の施設案内
今回施設を案内して頂いた営業の玉那覇さんとマハエ
■取材後記
ちるーさんを訪ねて毎年(8年連続)、神奈川県からくるお客様がいらっしゃるそうです。ちるーさんのうとぅいむちに魅了されているようです。その他にも95歳になるうめとおばぁに元気をもらいに、毎年いらっしゃる方がいるそうです。今回の取材で得たことは、沖縄県民一人ひとりが、ちるーさん、うめとおばぁのようにリピーター(沖縄ファン)を創るチャンスがあるいうこと。インフラ整備を始めとするハード面も重要ですが、沖縄で暮らす人々が沖縄を訪れる外国人観光客をうとぅいむちの心で迎えることで、また訪れたくなるデスティネーションになれるのではないかと思いました。また、琉球村さんが沖縄の行事をとても大切にしていることが分かりました。ちょうど取材の前日が旧正月(1月1日)でしたので、1年の健康を祈願する若水汲み*をされたそうです。お客様へのパフォーマンスだけではなく、会社内でこのような沖縄の行事を大切にしているとのこと。社員が一丸となって琉球村という舞台で演じられる所以だと実感しました。ちるーさん、玉那覇さんどうもありがとうございました。
*若水汲みの様子は下記「琉球村日記ブログ」を参照ください。
http://www.ryukyumura.co.jp/official/blog/category/14
*ちるー・・・琉球村では、村内で接客をする社員全員に愛称があり、宇栄原さんは、琉歌を詠んだ女流歌人、吉屋チル(ゆしや ちるー)から名前をとっています。